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その日の午後、昼食のサンドウィッチを食べながら仕事を片付けていると秘書が入ってきた。
「…もう少しかかりそうなんだが…待ってもらえないか?」
「いえ、資料の方をお連れしたので、ご報告に。」
「…早いな。呼んでくれ。」
「はい。」
そう言って秘書が中に入れたのは、学園で転校生だった奈良美月。今はその当時から得意だった隠密の様なものをフル活用して、探偵稼業の様なものをやっている。
「久しぶりだな!立派に就任しやがって!…あ、春川とは上手くヤってる?」
「まったく…相変わらずだな。お前は。あまり以前と生活は変わっていない。…そろそろ話をしたいんだがいいか?」
「そっかー…ラブラブなんだなぁ…っと、オッケー。俺は何すればいい?」
ニヤニヤしていた奈良をこちらの世界へ引き戻すと、早く終わらせなくてはならないので端的に言う。
「社内を掃除する事にした。ゴミを探せ。」
「んー…潜入の方がいい?」
「それは任せる。だが、なるべく正確で信用のできるものがいい。それで捨てるか決めるからな。」
「んー…じゃあ入るよ。準備してもらえる?」
「わかった。ただし、いろんな部署をたらい回しにされるから覚悟しておけよ。隅から隅まで見逃すな。」
「はいよ。結果までは早くても6ヶ月…半年かかるからね。それは覚悟しといて。」
「わかった。報酬は、月給にプラスをつけたものを毎月振り込もう。」
「おっけー。振り込むのはここ。俺は準備するから、一週間後に始めるよ。」
「よろしく頼む。」
奈良は、ニヤリと笑みを漏らすと部屋から出て行った。
「…これ、終わったぞ。」
「はい。次はこれです。」
「…人使いが荒い…まぁ、しょうがないか…」
役に立っているのは事実だ。
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