始まりの曲

7/7
前へ
/173ページ
次へ
「お前なぁ…50本の瓶を一瞬で割るとか…人間か?」 「たぶん…人間です。」 氷冬の目を見ると、いくらかスッキリとしたものになっていたので、ひとまず安心だ。 「探し物なら早くやれ。その仕事は今日中に提出すればいいからな。」 「…ありがとうございます。」 すると氷冬は珍しくこちらにお礼をいい、生徒会室用のパソコンを立ち上げた。 …誰かを探すつもりか。あいつのお眼鏡に叶うようなやつがいるとは…珍しい。興味がある。 「後で調べるぞ。」 「プライバシーの侵害です。履歴はキレイにカケラも残しませんから。安心してください。」 まともに返されてしまった。つまらん。 「…つまらん。」 「…人の事に手を出そうとするからです。」 氷冬はそう言うと、パソコンを閉じた。終わったらしい。 「…少しの間失礼します。」 少し機嫌の良さそうな顔で氷冬は外に出ていった。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3793人が本棚に入れています
本棚に追加