12年後

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財閥の令嬢だから? だからみんな、私を嫌うの? 夕鶴は心を閉ざしていた。 小さい頃に受けた傷は、あまりに深く、根強く、彼女の身体に絡みつく。 逃れる事も出来ず、前も向けずに、ただ、仕方なく歩いてきた。 夕鶴は帰路につく。 頭の上のソフトクリームや、背中にぶつかる暴言など、気にしていない。 騒ぐほどの事では無い。 夕鶴はそう思っていた。
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