6人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー、と。使い魔にカエルを選んだ場合、何よりも気を付けなければいけないのは、銀時計の扱いである。カエルは銀色と時計が大好物であり、銀時計を見たら舌を伸ばさずにはいられない。知っての通り、銀時計は命力の塊。もし使い魔がそれを取り込んでしまったら」
そこまで言ってから、慌てて僕は瞼を開けた。
「おはよう、バスラル」
僕の首にかかっている銀時計に、ピンク色の可愛らしい舌が巻き付いてた。
「おはよ、クリミナルちゃん」
葡萄色の朝はいつも危なっかしい。
三度寝までは何とか我慢出来るみたいなんだけど、四度寝の時は我慢出来なくなって舌を伸ばしちゃうらしくて。
「銀時計をぺろぺろしてると、君まで美味しそうに見えるから困る」
彼女は銀時計に絡ませていた舌を僕の頬に移して、うっとりと顔を緩ませた。
最初のコメントを投稿しよう!