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「えー、と。使い魔にカエルを選んだ場合、何よりも気を付けなければいけないのは、銀時計の扱いである。カエルは銀色と時計が大好物であり、銀時計を見たら舌を伸ばさずにはいられない。知っての通り、銀時計は命力の塊。もし使い魔がそれを取り込んでしまったら」 そこまで言ってから、慌てて僕は瞼を開けた。 「おはよう、バスラル」 僕の首にかかっている銀時計に、ピンク色の可愛らしい舌が巻き付いてた。 「おはよ、クリミナルちゃん」 葡萄色の朝はいつも危なっかしい。 三度寝までは何とか我慢出来るみたいなんだけど、四度寝の時は我慢出来なくなって舌を伸ばしちゃうらしくて。 「銀時計をぺろぺろしてると、君まで美味しそうに見えるから困る」 彼女は銀時計に絡ませていた舌を僕の頬に移して、うっとりと顔を緩ませた。
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