ぼくのなみだはきみのなみだ2

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―― 一方、みねかは図書館で童話の筋太郎を手に取っていた。 内容を読めてはいない。 頭の中が丸夫の事でいっぱいだったからだ。 昨日の留守番電話の声が彼女の耳に強く残っている。 『おい、6時に校舎裏にこい。無理なら電話しろ。それだけだ・・・・録音を再生済みとし、24時間保存します』 丸夫君・・・ 僅な望みがある限り、行かなきゃ。 そう思うも、 中々足が動かない。 校舎裏は、はじめて丸夫と会話した場所だ。 お世辞にも相応しい場所とは言えないが、みねかにとっては充分だった。
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