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あと、この話は丸夫の作り話ではない。
実話なのだ。
―竜宮伝説―
「ああ、なんだ。
やんのか、こらっ」
玉手町の治安はよくなかった。
犯罪発生率、激高。
今も、川辺で小さな犯罪が起きている。
ストレスの発散に気の小さいチンピラが 亀を苛めているのだ。
「聞きたいのは俺の方だ。
亀にあたる程度の奴らが、喧嘩できるとは思わねぇ。
無駄口叩く暇があったらかかってきな」
「てめぇ・・・」
チンピラは、圧倒的な少年の威圧感に恐れを抱き逃げ出した。
年齢的に少年とはいえ、背が高く大人びた顔立ちをした丸夫は容姿で見くびられる事は滅多にない。
「助けてくれてありがとうございます。これは、ほんのお礼です」
亀が、喋った訳ではない。
ただ、その場にティッシュがあっただけなのだ。
それを丸夫はお礼と捉えた。
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