竜宮伝説

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「お兄様、私をおいていくとはどういうつもりかしら」 「うるせー、多分お前の分まで払えねぇ。 それと、その口調やめろ」 現在、丸夫とりさは自宅でティッシュの話題で揉めている。 正確にはティッシュに入っていた2時間無料券。 店舗名“竜宮城”。 丸夫は知っているのだ。 2時間無料など、軽率にティッシュにつけられるような特典ではない。 つまり、最低でも1ドリンク制。 それにうるさい女だった場合、指名料も必要だ。 丸男はキャバクラ自体に興味はなかった。 ただ、お酒を飲んでみたいとは前から思っていたのだ。 大衆の居酒屋では年齢確認、 コンビニエンスでも年齢確認。 年上に頭を下げて頼むのは自身のプライドが許さない。 丸夫は、この機会を逃せないと思った。 「お兄様にはわからないのね。 1人残されてしまう寂しさが」 「・・・・・・」 「もういい、お兄ちゃんのブスっ!! 」
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