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やっと解放された。
丸夫は食卓でティッシュを落としてしまい、りさにばれたのである。
彼は、二度と同じ過ちをおかさぬよう、鞄にしまい自宅を出た。
四方四季市玉手町2―1○81―5○。そう遠くはなかった。
目の前にそびえるは城とは思えない建物。
要は“ビル”である。
流石の丸夫も入りづらいと思った。
全くもって人気を感じないからである。
「お兄さん、ここ竜宮城で合ってる? 」
どうやら変な奴にボーイと勘違いされた様子。
外見が変な訳ではない。
まるで、文章を棒読みしているような喋り方なのである。
「俺は店員じゃねぇ」
「じゃあ僕と一緒か。
ちょっと中で聞いてくる」
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