12人が本棚に入れています
本棚に追加
ペナ島太郎が大胆にドアを開けると異様な光景が目に入った。
12畳程の広さの和室に、大きな横長テーブルがある。
そこの両側に6人づつ座っているのだ。
そこまではまだいい。
全員がどうみてもレイヤー(コスプレしている人)だからだ。
「ようこそ、竜宮城へ」
着物の女性が立ち上がり、丸夫逹に頭を下げた。
丸夫はどう反応していいかわからなかった。
「2名で。
ここで指名するんだ。
変わってるね」
「飲み屋か何かと思われたのでしょうか。
残念ながら、私達は人間ではなく亀でございます。
お礼の品をお渡しするくらいしかできません」
「僕は構わないよ、擬人化、望む所だ」
「あの、お礼の品って何ですか?
出来たらお酒がいいんですが」
丸夫が口を挟んだ。
「お酒?
それは奇遇ですね。お酒ではございませんが、飲んだ感覚は近いと思います。
海人っ」
「よろこんでっ!!
乙姫様、キンキンに冷やしておりますぞ」
海人という白衣の男が、2つの瓶を乙姫に渡した。
最初のコメントを投稿しよう!