五感
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五感
さあ御覧 月さえ羞恥に眼を背け 雲に隠れて 貪るは 吐息馨し唇か 闇に溺れし眼眸か 鏡は脆くも砕け散り 写した影は風に消え 漏れ出た幻 彷徨えば 真綿で締める 頸の夢 花さえ香を失いて 暁睨んで貪るは 声になり得ぬ囁きか 触れては甘い柔肌か 言の葉すでに色無くし 交わす杯枯れ果てる 満ちた涙で飲み干せば 血の脈巡る 毒の味
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