濁酒讃歌

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濁酒讃歌

虚飾の滲む部屋で息をしたいの 何がこわいの 独りがこわいの 独りになるのが されるのが 孤高になれない弱さがこわいの 孤独を嘆く感傷に 浸っていたいの 酔っていたいの どぶろくみたいな独りよがりに 小さな部屋が有れば良い 虚飾で固めた夢の中 酔い朽ちるまで眠らせて 絢爛豪華な粘土細工を 後生大事に抱くから 感情ごと 命ごと 酔いに任せてそのまま消えて 昇華を願う軽挙妄動 孤独が欲しいか 理解されない証を望むか 影すら消え去ることを願うのか
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