陽炎

4/6
前へ
/54ページ
次へ
「しんたっっ!!」 あれ? 「…はっ、夢か…」 肩で息しちゃって、情けないな 夢なんかで… うわあ汗かいてる… 「何で今こんな夢なんか…」 焼けるような太陽 蒸し暑い 夏のある日 死期がせまり 泣き叫ぶように鳴く 蝉の声 愛すべき誰かに見つけてもらう為 それでも時間は止まる事を知らず 私は時間が動き始める事を願う まだ音が聞こえるほど激しく脈打つ心臓を落ち着けようと 深く呼吸をする 温かい匂いがした 「ごはんかな?…お腹減ったなあ」
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加