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「はい!イタリア土産!」
「ありがとう。」
旅行から帰って真っ先に会いに行ったのは公ちゃんだった。
近くに新しくできたレストランに呼び出すと公ちゃんは喜んでやってきた。
別に私に会いたかったわけでも、イタリア土産が欲しかったわけでもない。
彼が気になってるのは有名建築家がデザインしたこのレストランのことだ。
公ちゃんはお店に入ると天井を見上げたり、壁を触ったりしていた。
どうやらこれは建築家の職業病らしく、弟の凌もよくやっている。
「で?凌とりんちゃんは上手くいったの?」
「ああ。あのあと凌から電話かかってきて、上手くいったらしいね。」
「‥‥それでいいの?公ちゃんは。」
「‥‥怜こそ、そんなこと言っていいの?俺がりんのこと好きなままだと困るでしょ?」
「困る。」
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