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それは入学式が終わった後のことだった。理事長・父母の会会長・校長と話が長い人達の、洗礼という名のありがたぁいお言葉をたっぷりと受けた私達1年生は終礼を終えて、各々の目的地へと向かっていた。ある人は午後たっぷりとだらけたいが為に家にさっさと帰り、ある人はさっそく先生に絞られて…
「ねぇ、あずさはどうするの?」
理奈と桃華は南中したばかりの太陽の日差しをさんさんと浴びる窓側の席の主、私…早見あずさに話しかけてくる。あぁ…しかし今日は暖かいなぁ、うわぁ…眠くなってきたなぁ。あれ?なんかこの後なんか予定があった気がする…ような…zzzzzzz
「起きろー!!あずさー!!」
「ひゃあ!?ちょ、理奈!耳痛いんだけど!!」
「痛くしてんのよ、あんた…本当に寝てばっかりね。」
今日出会ったばかりなのによくわかるよ~と、ため息混じりに理奈は言う。因みに桃華のほうはさっきからずっと手に持ってる紙を見ている。
「あずさちゃん…私が持っているこれ、何か知らないの?」
「?……あ」
部活紹介in他目的ホール
「そうだ、部活紹介に行ったあの後私は海園先輩の拷問を受けて無理矢理…」
「してねえよ、俺そんなヤバいことしてねぇよ。」
海園先輩はもはや誰にもわからない行程表を見つめながらわたしの呟きにツッコミを入れる。
「あぁ…やっぱり思い出せないです。気が付いたら私、親に入部承諾書書かせてましたもん…」
「知らなくていいよ」キッパリ
「………」
「………」
くそ、なんか中途半端な所まで思い出して頭かすごくモヤモヤする。
「あずさー」
「…はい、どうしたんですか…!?…え?」
海園先輩が持っていた資料は数年前の生徒総会で使われた予算報告書だった。わたしが驚いたのは高校生徒会の歳入…
「…1000万!?」
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