*オワリからハジマリを促す*

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今日のお客様は、シルビアが『拾ってきた』と言う30を少し過ぎた位の男性だ。 名前はレイモンドと言うらしい。 『ラフィネ、こいつはどうだ?』 モスグリーンのスーツに、薄汚れた白いワイシャツ、同じく、シルビアに引きずられて土の着いた白のパンツの男が、なにか不安そうにこちらを見ている。 『初めましてレイモンドさん、私はラフィネという者です。そして貴方の隣にいるのが、私の妹で貴方をここに召喚した、シルビアです』 『あ……あの、ここは』 辺りをキョロキョロと見回しながら、男が小さく口を開いた。 『あなた方の世界で例えるなら、生きている世界と、死んだ後に行き着く世界の、ちょうど中間地点といった所でしょうか?』 『つまり、お前は死んだんだ』 『シルビア……黙っててくれませんか』 『……死んだ、僕がですか?』 パタパタと自分の体を触りながら、訝しげに首を傾ける。 そりゃ、突然自分が死んだと言われても、ハイそうですかとすぐに納得する人間など、そう居たものではないだろう。 彼の反応は、至極正常と言える。 『うーん、『死んだ』というのは少し事実とは異なりますかね』
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