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「あ…俺、そろそろ帰らなきゃ」
辺りの様子から、大分長い間話し込んでいたと慌てて腰を上げる司。
『なんじゃ?もう帰ってしまうのか?』
「はい…流石にこの時期に遅くなり過ぎるのは…周りに心配をかけますし…」
マフィア絡みでゴタゴタしている今、周りに余計な心配はかけたくない。
『まぁ…仕方ないのぉ。無理に引き止める訳にもいかんしの…』
余程司との会話が楽しかったのだろうか…そう言いながらも白龍はさみし気な表情を浮かべる。
そんな白龍の表情に罪悪感を感じた司は、
「ま、また必ず遊びに来ますから!」
と、つい言ってしまう。
その言葉を聞いた途端に白龍は
『本当じゃな!?約束じゃぞ!!我は待っておるぞ!!』
と、表情を明るくした。
(…めんどくさい事になった…)
言ってしまった事だから仕方ないが、お店やマフィア・スラム等の様々な問題を抱えてる現状で、なんとも面倒な約束をしてしまったと司は軽く後悔した。
しかし、ニコニコと明るい表情の白龍を見ていると…
今更「その場凌ぎの台詞でした」なんて、とても言えたものじゃない。
「…はい。時間を作ってまた遊びに来ます…」
司は諦め半分で白龍にそう答えるのであった。
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