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『…そうじゃ!あのなんだったか…ちーと能力とやらで、見られたくない時は結界とか張ってみたらどうじゃ!?』
壊れかけの司を見て焦ったか、白龍は自分の仕業にも関わらず慌てて打開策を提示する。
「フフフ、ふふ……?結界?」
どうやら司は帰ってこれた様だ。
『う、うむ!お主程の魔力の持ち主ならば…都合が悪い時に証にだけ結界を張る位、造作も無い事じゃろうて!?』
白龍が言う様な結界は"空間遮断結界"と呼ばれる高度なものである。
…が、既に自宅に何重もの遮断結界を張り巡らしてる司。
冷静になって考えてみれば、対策のしようはいくらでもある事に気付く。
(…考えてみれば、そうだな。しかし…)
「…それにしたって、そんな重要な事は先に言って貰わないと。」
『まぁ…なんじゃ…すまんの。』
よくよく話しを聞けば…久しぶりに自分が気に入る程の人間に出会った喜び。
そしてその人間が、長い間退屈していた自分にとってとてつも無く"楽しそうな"状況に置かれている事(司にとっては揉め事)に、いても立っても居られなくなってしまった事。
とは言え"伝説級"の自分が、おいそれと世間へ出て行く事ははばかれる為…
今回の様な"一方的な"使い魔契約となったらしい。
司は呆れながらも、長い間ずっとこの湖で一人寂しく過ごしてきたであろう…白龍の気持ちを思うと、怒る気になれなくなっていた。
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