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『英雄の無力化』
国民皆英雄、という保険制度の普及でも図っているみたいなスローガンで造られた英雄。
人間と他の生物を足した、強化人間らしい。
世界大戦の時代では大活躍を見せたというが、今では過ぎた玩具に成り下がっている。
戦禍では役立つ兵器だったが、平和な世にはその呪われた出自と武力は邪魔でしかなかった。
詳しくはまだ習っていないけれど、国がヒーローを駆逐しようとして、それにヒーローが反乱を起こし、そこに国が核を落とし、生き残ったヒーローはもしもの備えで生かされているとかなんとか。
そして、『英雄の無力化』とは文字通り。
英雄から力を取り除くことを目的とした政策らしい。
ここでの力は武力やら能力やらではない。
思考力や精神力といった、内部に関わる力だ。
カーストの最下層に押し込められ、武力で劣る一般人に飼われるような状態にされた。
この国は、人間が人間を飼うような社会を作り上げたのだ。
そのせいか、イマドキの子供は嫌に冷めた子が多いという。
まあ、僕もその一角を担うイマドキの子供なんだけど。
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