ヒーロー見参! ただしボロボロ!

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CMに感化されすぎたようだ。 もっと冷静に考えよう……それが自分の為になる。 黒服は、僕の背後に着地した後、何の音も立てていない。 つまり、その場に留まったままだ。 背中越しの音なので詳しい距離は分からないが、大きさから言ってそう近くない。 だからといって、走って逃げられるということもないだろう。 僕の知っているヒーローは、女の子一人と僕とを抱えていてもぺちゃくちゃとのべつ幕なしに話しながらも余裕気に、車を追い越すことが出来る脚力を持っているからだ。 つまり、逃げるなんてナンセンス。 ましてや向かって行けば僕程度、一瞬で爆散させられてしまう。 ……冷静になればなるほど、僕の知識が如何に薄弱かを再確認しているような気がする。 委員長に会いたい。 本気でそう思った。 あのマニュアル大好きマニュアル女子なら、こんな不意の危機にも愛するマニュアルでもって見事に切り抜けるはずだ。
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