第二章 特別棟の花子さん

10/16
前へ
/1899ページ
次へ
 急いで行くと友人たちに言いはしたが、それほど足は進まず。  ゆっくりとトイレに入り、なんとなく、さっきと同じ、奥のドアを開けてみる。  一瞬、そこに誰かが見えた気がした。  あのとき、由佳の向こうに、小さな人影が見えたように。  でも、気のせいだ。  そう思うと、それは消えた。  無意識のうちに、手首に手をやる。  今、あれを持っていないのに、見えるはずがない。
/1899ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3408人が本棚に入れています
本棚に追加