第二章 特別棟の花子さん

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「うひゃっ」 「ひゃっ」  突然上がった声に、抑揚なく続いていた教師の朗読が止まった。  軽く禿げた小柄な教師は、誰だとばかりに室内を見回している。  明路は首筋に手をやり、そっと後ろを顧みる。  さっき、何かひやっとするものが、うなじの辺りを撫でるように通っていったのだ。  見れば、由佳も同じように、首に手をやり、廊下の方を見ている。
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