第二章 特別棟の花子さん

14/16
3406人が本棚に入れています
本棚に追加
/1899ページ
「先生」 と明路は手を挙げた。  あまり積極的に手を挙げることなどない自分が挙げたことに、教師は驚いているようだった。 「すみません。  気分が悪いので、保健室に行って来てもいいですか?」  ちょっとシャキシャキ言い過ぎたかな、と思ったが、今まで真面目にやってきたことが幸いしたのか。 「一人で行けるか?」 と疑うどころか心配して送り出してくれた。  由佳の視線が自分を追うように動いていた。
/1899ページ

最初のコメントを投稿しよう!