第二章 特別棟の花子さん

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     待たんか、こらっ。  何処に行く気だっ!  教室を出て行く明路を視線で追いながら、教科書を握り締めた。  頭の中で、どう動くべきか何パターンもぐるぐる回る。  明路が外に出てすぐ、立ち止まったらしいのが、すりガラス越しに見えた。  いやっ、もう駄目だろうっ。  明路が心配だから、様子を見に行くと言おうと勢い込んで立ち上がる。 「先生っ、トイレっ!」
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