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凄い勢いで教室から出て来た由佳が自分の腕を掴む。
そのまま、老人から離れた階段近くまで、引きずっていかれた。
由佳はこちらの両腕を掴んで、子どもに言い聞かすように言う。
「明路。
知らない人に付いてっちゃいけないって習わなかったのか?」
「いや、
付いてってないし。
そこに居ただけ」
と言いながら、如何にも無害そうな老人を指差す。
老人は腰を屈めたまま、辺りを見回している。
何かを探すようなその仕草が気になり、つい、凝視していると、背後から由佳に頭をしばかれた。
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