第三章 迷い込んだ霊

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     ……どういうつもりで言ってんだろうな、こいつは、と思いながら、明路を見下ろしていた。  こんなところに、突然、生きた老人が現れるものか。  いや、そもそも、さっきの首筋を撫でるような気配を感じて追って来たんだろうに。  あの年寄りが霊だとわかっているのか、いないのか。  老人を見つめる明路の目には恐れも驚きもない。  なんだか厭な予感がして、さっきとは違う意味で、首の後ろがチリチリする。
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