第三章 迷い込んだ霊

6/36
3406人が本棚に入れています
本棚に追加
/1899ページ
『迷ってるみたいだし、話、訊いてあげたら?』  明路の言葉に、ああ、確かに、と思う。  お前が思っているのとは違う意味で、あの老人は『迷って』いる。 「わかった。  ……私が話を訊いてあげる。  だから、明路は教室に戻って」  少し気を落ち着けてそう言った。 「教室には戻れないよ。  具合が悪いって、出て来たんだから」  最もな反論をされ、顔をしかめる。  だが、自分も気になってはいた。  あの老人は確かに、此処で何かを探している。
/1899ページ

最初のコメントを投稿しよう!