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『迷ってるみたいだし、話、訊いてあげたら?』
明路の言葉に、ああ、確かに、と思う。
お前が思っているのとは違う意味で、あの老人は『迷って』いる。
「わかった。
……私が話を訊いてあげる。
だから、明路は教室に戻って」
少し気を落ち着けてそう言った。
「教室には戻れないよ。
具合が悪いって、出て来たんだから」
最もな反論をされ、顔をしかめる。
だが、自分も気になってはいた。
あの老人は確かに、此処で何かを探している。
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