第三章 迷い込んだ霊

7/36

3406人が本棚に入れています
本棚に追加
/1899ページ
 いや、そもそも、どうやって、此処に入り込んだのか。  悪い予感は強くなっていく。  トイレの中で顔に似合わぬ脅しをかけていた子どもの声が蘇る。  まさか、あのガキ、何かしやがったのか?  ともかく、教室の側はまずいと、老人の側まで行く。  こちらを見上げた老人に、 「爺さん」 と話しかけると、 「あんた、さっきの嬢ちゃんとよく似とるのう」 と言った。  ぎくりとする。  自分と明路を見て、似ているなどと生きた人間は言わない。
/1899ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3406人が本棚に入れています
本棚に追加