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「ぼ……」
「爺さん」
愛想のいい老人が何を言おうとしたか察して、その言葉を塞ぐように言う。
「いいから、ちょっと来い。
おぶってやるから」
とそこにしゃがむと、老人は笑い、
「別に霊なんじゃから、膝も腰も悪くないわい。
屈んでるのは生前の癖でなあ。
あんたも、死んでも、その癖が出……」
「いいから、来てくれっ」
しまいには、懇願するように言っていた。
明路が何をやっているんだというようにこちらを見ている。
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