第十六章 鏡

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「まあ、そりゃ怖いかもね。  今まで、全てを操る神のつもりだったんでしょうからね。  でも、自分の記憶も怪しくなってきているのなら、貴方も所詮、誰かに動かされてる駒のひとつだったのかもしれない」 「うるせえな。  第一、カミサマ面してんのは、昔からお前の方だろ」 「同じ顔じゃないの」 と言ってやると、この上なく厭そうな顔をした。 「何処まで記憶が戻ってるんだ?」 「そんなには―」  そう言い、見つめた由佳の瞳に月明かりの下の自分が映っていた。
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