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「お別れ、なの?」
「あぁ…もう会えないかもしれない。」
満開の桜の木の下。
二人の子供が向かい合って話している。
「いやだよ…私、拓哉とずっと一緒にいたいっ!」
「…由奈」
女の子は今にも泣きそうな顔をして、男の子はうつむいている。
「…じゃあ、約束する。」
「…え?」
瞳に涙をためた女の子に、男の子が言った。
「----。」
「…うん。約束する。」
少しだけ笑顔を浮かべた女の子に、男の子は何かを手渡した。
「…あげる。」
「これ…手紙?」
薄いピンクの封筒の中には…桜の花びらが入っていた。
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