プロローグ

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「さ…………里が…… 滅びる………」 巫女は顔を下に向いたまま深く頷いた。 巫女の応答に女は恐怖の余り体が震え上がった。そして今にも泣きそうな顔になった。 だが女は泣くのを必死に堪えながら、巫女に話し掛けた。 「巫女様………教えてください。 この子が死なずそして里が滅びない方法を 教えてください……。」 「…………… その子を、山の主である狼に預ける他はない。 今夜にでも行かなくては… 辛いだろうと思うが、その子とはもう………」 「夜まで………… この子と一緒にいさせて下さい……」 「良かろう…… 夜になったら、お主の家へ行く。」 「ありがとうございます…………巫女様…」
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