~遅れて来た異例の参加者~

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-グラウンド- 常盤「それじゃチュートリアル始めますか」 大きく伸びをしながら言う常盤。 グラウンドには誰もいなく、ここから見える校舎からすら人の気配すら感じない。 常盤「まずは………上の方に意識を集めてみて」 文月「ん?…………おわっ、なんだこれ!?」 俺は上を向いている訳じゃ無いが、左上の方に緑色のゲージとそれより細い黄色のゲージが見えた。 常盤「その上のが『体力ゲージ』で、下のが『気力ゲージ』だ」 文月「体力と気力って…………俺のか?」 もう一度二つのゲージを見る。 文月「俺って初期値から結構ある方なのかな?」 常盤「ありすぎだよ。今レベル7の私より高いっておかしいだろ」 腰に手を当てて少し眉をしかめている常盤はなんだか不服そうだった。 文月「え、お前俺のが見えてんの?って言うかレベル7って事はレベルアップもあるのか?」 常盤「人のはその人の頭の上に見える。もちろん経験値を稼げはレベルアップする」 目をこらすと常盤の上にゲージが二つ見えた。 常盤「戦闘に入ると相手のゲージは右上に見えるようになる。だから相手との差を比較しやすくなるし、あとどれくらいで倒せるかも分かりやすくなるな」 文月「ふーん、左上が自分で右上が相手だな。覚えとく」 腕組みをして軽く頷く。 常盤「で、経験値ってのはやっぱり場数を踏むことだな。手っ取り早いのは『ゲーム』に出て敵を倒す。他には仲間に組み手をしてもらう事かな。経験値は頭の中で意識するとアナウンスみたいに流れてくるぜ」 文月「意識か…………」 目を閉じて経験値が知りたいと集中してみる。 『次のレベルまであと31の経験値が必要です』 文月「31必要だってさ」 常盤「自分よりレベルの高い相手とやれば多く貰えるんだ。チュートリアルが終わったら手始めに私と組み手するか?」 文月「え………」 ちょっと待て…………相手は男らしいが女子だぞ。 それに喧嘩慣れしてる俺がやっていいものなのか? 常盤「まあ、まだ教える事があるから女だと思って油断しない方がいいぜ」 なんだか自信がありそうな常盤の笑みが気になったが、今は素直にチュートリアルを聞くことにした。
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