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『拝啓、親父へ
そっちは元気に………………って言ってもまだ一日も経って無いんだな。
まあとにかく元気でやってますか?
俺はゲームの世界に参加させられて、まだ右も左も分からない現状だけど、なんだか味方になってくれそうな人達には会えました。
協力してくれるからには俺も全力を尽くすつもりです。
だけど俺は今…………………………………………………………………………物凄い勢いで落下しています』
文月「うわあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
畜生!あまりにも落下時間が長すぎて親父宛ての手紙が脳内で書けちまった!
ステージセレクトで体が吸い込まれたのは覚えている。
だが吸い込まれてみたらどうだ!?
常盤とかレジェンドのメンバーとか一人も俺みたいに落下してねぇし!
さっきまであんなに遠かった地面がすぐそこまで来てるし!
どうやらステージは草原らしく、緑色の一面に所々土が剥き出しになっている感じだ。
文月「マジで………死ぬっ!」
いくら初期値の体力がレベル7の常盤より高くたってこれじゃ意味なんて無い!
地面まで約100m程の所まで来て、俺は激痛を覚悟して目を固く閉じた。
文月(ぶつかる!)
無駄だと分かっていながらも、両手で頭を庇う。
しかし……………衝撃は来なかった。
恐る恐る目を開けると、地面まであと10cmくらいで浮いていたのだ。
文月「な、なんだこれ?」
信じられない現実に、何回か瞬きをしていたら、急に体が落ちた。
文月「ぶっ!?」
頭が下だった俺は見事に顔から地面に落下した。
文月「は、鼻が………鼻がぁ!」
鼻を押さえてもんどりうつ俺はさぞかし惨めだろう。
文月「ここは………?」
見渡す限りは草原だ。
さっき説明したように所々に土が剥き出しになっている草原だ。
鼻を強打して涙目な俺はふらふらと立ち上がる。
???「もう来ましたか?」
文月「っ!?」
振り向いた少し先には、黒いフードをすっぽり被った物体がいた。
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