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ゾア「あなたは…………………一体何をしたんですか?」
文月「いや、何もしてねーけど」
何かが当たったはずの右手を見る。
手には傷一つ無く、さっきと変わらない。
俺の体力を見てもダメージを受けた痕跡は無いし、魔力ゲージも減っていない。
ゆっくりと立ち上がり、再びゾアと向き合う形になる。
そしてもう一度ゾアにむかって駆け出す。
ゾア「くっ!………」
魔法を掻き消すと言う得体の知れない俺を見たゾアは迂闊に魔力壁を使うことが出来ず、腕で体を庇うただのガードをした。
俺はガードをしてるゾアに容赦無く拳を振るう。
文月(こいつ……………魔法はすげえけど格闘は慣れてないな。
この程度の防御なら…………)
俺は正面を守っているゾアの腕を無視して、左フックをゾアの右肩に当てる。
左フックをくらってバランスを崩したゾアは俺に右肩を向ける体制になった。
そう、たった今左フックを当てたばかりの右肩を野ざらしにする形に。
俺はがら空きの右肩に容赦無く全力で右ストレートを打ち込んだ。
ゾア「グッ!」
普通の格闘に慣れていないのは事実らしく、左フックと右ストレートがヒットしただけで体力を結構削る事が出来た。
2コンボ!
TotalDamage 1250!
文月「こうゆう表示もでるのかー」
ゾア「たった2コンボでこの威力…………私が格闘防御が低いとは言え強力ですね」
立ち上がったゾアの体力は3分の2はきっていた。
まあさすがは初歩の初歩ステージってとこだな。
相手のレベルもさすがに初歩クラスって訳か。
ゾア「ならば…………『魔黒球』を使うまでです」
おそらく『魔黒球』ってのは、さっきの黒い球体の事だろう。
だけど俺は身構える事すらしなかった。
ゾア「………………?」
文月「無駄だよ」
ようやくゾアも異変に気が付いたらしい。
なぜか自分の右腕が上がらないと言うことに。
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