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ステージクリアをした俺達は、空き教室に帰ってきた。
文月「ん?もう日が傾いてるな」
常盤「ゲームをすると6時間経っちまうんだよ」
大きく伸びをしながら常盤は説明をした。
常盤「自己紹介は………………明日でいいか。早く七瀬校長のとこに行ってこいよ」
文月「ああ、力の確認だったな。行ってくるか」
俺は常盤とまだ名前すら知らないレジェンドのメンバーに挨拶をして空き教室を出た。
明日もこの空き教室に集合と聞いた。
-校長室-
文月「失礼しまーす」
七瀬校長「ん、来たか?」
校長席に踏ん反り返る体制で座っているこの白髪混じりの黒髪で白髭のアンバランスおじいさんが知っての通り、七瀬校長だ。
七瀬校長「今、帰ってきたんだろう?」
文月「ああ、たった今帰ってきた」
俺はゲームに行く前に常盤と向き合って座った客席に腰を下ろす。
七瀬校長「どうやらお前の力は運命を変える事が出来るかもな」
文月「?」
七瀬校長「いや、こっちの事だ。忘れてくれ」
そんな事を言いながら七瀬校長は校長机をガサガサと漁っていた。
七瀬校長「ほれ、この紙が『スキル検査紙』。んで、こっちは『属性検査紙』だ」
両方共細長い紙切れだが、スキル検査紙の方は赤く、属性検査紙の方は青く色がついていた。
文月「これを持てばいいのか?…………ってあれ、俺が触った瞬間に紙が消えたぞ?」
校長から紙を受け取ろうと右手で触れたら紙は電気を消す様に消えてしまった。
七瀬校長「それがお前のスキル『デリート(削除)』だよ」
文月「でりーと?」
七瀬校長「簡単に言えばお前の右手は魔法とスキルを消し去る事が出来るんだ」
それを聞いてゾアとの戦いを思い出す。
直撃したはずの魔黒球が無くなっていた事、魔力壁を打ち破って殴った事がようやく納得できた。
文月「そうか………デリートか」
七瀬校長「まあお前は特別で、デリートだけじゃ無いんだけどな」
そういって七瀬校長はもう一枚のスキル検査紙を俺に向けて突き出してきた。
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