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七瀬校長「左手で受け取ってみろ」
文月「?」
俺は言われるままにスキル検査紙を左手で受け取った。
文月「………………なんもねーぞ?」
七瀬校長「そうだな…………なんか魔法をイメージしてみろ」
文月「魔法をイメージ?」
今まで見てきた魔法なんて、常盤の火の玉とゾアの魔黒球ぐらいだぞ………………
とりあえず俺は常盤が見せてくれた火の玉を思い出してイメージする。
文月(たしか空中に浮いてて……………小さな球体で燃えてたな)
スキル検査紙を見ながら火の玉をイメージしていたら、いきなり検査紙が無くなって火の玉になった。
文月「あれ、なんで火の玉に?」
七瀬校長「それがお前の本当のスキル………作りたい物の『素』と、作りたい物のイメージがあれば作り出すことが出来る『イメージメイク(想像制作)』だ」
文月「ちょっと待てよ……………スキルって一人一つじゃなかったか?」
七瀬校長「ああ、一人一つだ。だからお前は『イメージメイク』のスキルを習得して、その力で『デリート』を作り出したんだ」
文月「いやいや記憶に無いから!」
俺は慌てて反論する。
第一俺はイメージメイクを習得した事すら知らないのに…………
七瀬校長「ゲームが始まった瞬間からお前はイメージメイクの力を手にしていたんだ。
それを無意識のうちに使用してデリートを作り出したんだ。
お前のことだ、『魔法なんてめんどくせー、消し飛ばしてやりてー』なんて思いながら戦ってたんだろ?」
文月「うっ!」
それに関しては反論が出来なかった。
なぜなら文月はゾアとの対戦中に心の底から(ゾアの)魔法を厄介がっていた。
文月「『素(もと)』はなんだ!?デリートを作るにも素が必要なんだろ!?」
七瀬校長「スキルなんて所詮は魔力の塊みたいなもんだ。
魔力が高い奴はみんな作ろうと思えばスキルの一つや二つくらい増やせるが、そのための橋が必要なんだ。
簡単に言えばイメージメイクがあればいくつでもスキルを作れるんだ」
文月「何だよそれ、チート?って言うかそれなら俺って無敵になれるじゃん!?」
逆を考えた俺は喜んだが、七瀬校長は厳しい言葉を発してきた。
七瀬校長「しかしお前も惜しい事をしたな…………………お前はもうスキルは作れない。
ましてや普通の魔法を使うのも手を焼く事になったのだから」
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