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文月「……………どうゆう事だよ?」
七瀬校長「それはデリートのせいだ。
言っただろう、デリートはありとあらゆる魔法やスキルを消し去る事が出来る代物だ。
ギア状態の常盤に右手で触れれば、ギアの効果は消えるし、魔力壁だって右手なら貫通する。」
デリートの説明を少し詳しく話した七瀬校長はお茶をすすった。
文月「って事は…………………もともとの俺のイメージメイクの力すら消し去っちまってるのか?」
デリートが宿る右手を見る。
なんの変わりも無い右手が全てのストッパーになってしまったのか……………
七瀬校長「しかし完全にではない。
本来のデリートなら自分の魔力ゲージすら溜まらない。
だけどお前は溜まらないどころか減らない、おそらくイメージメイクはデリートで蓋をされた状態にあるんだ。」
文月「じゃあイメージメイクを使うにはどうすればいいんだよ?」
七瀬校長「これを使う」
すると七瀬校長は再び引き出しを開けて、今度は赤く光った石を取り出した。
七瀬校長「『魔光石』といった物でな、魔力を含んだ不思議な石だ。
ただこの石だけを持っていても意味が無い。
……………ようはお前みたいな全てにおいてのイレギュラー野郎のためにある都合のいい石だ」
魔光石と読んだ石を俺に投げてきた。
俺は魔力を含んでいると聞いたので左手で捕ろうとしたが、使い慣れて無いせいで取りこぼしてしまった。
七瀬校長「………プッ!」
文月「………………笑うなよ、使い慣れて無いんだからさ…………」
七瀬校長「すまんすまん、だけど魔光石はよく分からんがデリートで触れても魔力は失わないぞ」
文月「先に言えよそれを!」
魔光石を拾って見つめる。
かなりいびつな形をしていて、クリスタルみたいで綺麗だった。
七瀬校長「魔光石を左手で握りしめて魔法をイメージすれば、イメージメイクが発動して魔法が使える。
強力な魔法が使いたいなら魔光石をたくさん握りしめればいい。
しかし魔光石では魔法への橋になるのが精一杯だ、スキルを増やすのは諦めろ」
文月「ああ、分かったよ」
俺は火の玉をイメージして、左手で魔光石を握りしめた。
すると手を開くと火の玉が出来上がり、それを右手で握り潰すように掻き消した。
七瀬校長「魔光石は学校の裏山にある『採掘場』で自力で手に入れろ。
それと今日はもう休め、これがお前の寮の部屋番号だ」
文月「分かった、サンキュー」
一枚の紙を受け取り、俺は校長室を後にした。
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