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-校長室-
七瀬校長「ほいお茶」
文月「ありがとうございます」
俺は昨日の校長との去り際に明日も来てくれと言われたので、朝一で訪問していた。
七瀬校長「ご機嫌ななめだな、なんかあったか?」
文月「いや、常盤が男勝りで寝相が悪くて髪がストレートヘアーだと片目が隠れるぐらいあるなーって事があっただけだ」
七瀬校長「最後の一つはともかく大変そうだな」
冷たく鋭いツッコミを打ち込んでお茶をすする校長は、心底興味が無さそうだった。
文月「んで、用件って?」
七瀬校長「ああ、これだ」
校長は四次元ひきだしから携帯を取り出して、俺に投げた。
文月「携帯!?俺の………………じゃないな」
七瀬校長「電話とメールとカメラしか使えない携帯だ。きっとこの世界からの支援アイテムってとこだ」
折りたたみ式のシュールな携帯。
だから常盤も持ってたのか。
七瀬校長「これからレジェンドのメンバーと顔合わせだろう?
その際に全員のアドレスを聞いておけば後々楽だと思うぞ」
文月「分かった。ほかに用件は?」
七瀬校長「あとは一応これだ」
四次元ひきだしから取り出したのは………………………ああ、属性検査紙の方か。
七瀬校長「まあ意味ないと思うんだけどな」
文月「?」
俺は検査紙を受け取った。
文月「………………何も起きないぞ」
七瀬校長「やっぱりな」
俺は左手に持ち替えてみたけど、結果は変わらなかった。
七瀬校長「左手に持って火をイメージしてみろ」
文月「火?」
俺は言われた通りに燃える火をイメージした。
すると属性検査紙は白から赤色に変色した。
七瀬校長「こんな感じで、火属性の奴が触れると赤くなるはずなんだ。
お前はイメージさえすれば属性も変えられるって事だ」
文月「つまり…………無属性って事?」
七瀬校長「そうだ。きっとこの世界ではお前だけだな。
あと鏡で目を見てみろ」
文月「目?」
校長室にあった鏡で目を見てみる。
文月「なんだこれ!?左目だけ赤くなってる!」
七瀬校長「イメージメイクのせいだろう。
イメージした属性は左目の色で分かるって事だ。
デリートが無かったら両目とも色が変わったと思うぞ」
文月「な、なんか変わったスキルなんだな………………」
また新しい事を知って、校長室を出た。
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