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文月(俺が右手で常盤に触れれば、きっと歯車活性化(ギア)の効果は消えるはずだ。
なら………………)
考えをまとめた所で、文月は一歩前に出した足に力を込めて走り出す。
三好「次は新入りが仕掛けたな。
なあ、どっちが勝つか賭けしようぜ。俺は文月に賭けた」
雛祭「うーん、やっぱり右手は見えませんねー。
私は常盤さんにします」
天童「俺は……………新入り」(組み手は全然悪くない考えだけど………………やっぱり新入りとサッカーやりたかったな~)
大和(東)「さっきから天童君、真剣な顔してるけどどうしたのかな?
僕はトッキー」
的場「まーたサッカーの事でも考えてんじゃない?
俺もトッキーにしとこっと」
大和(西)「私は新入りにしとく。
負けた方が勝った方に今日の晩飯奢りだからな」
桐原「…………………新入りに賭けた」
千羽「トッキーさんに賭けます」
観客席は観客席で意外と盛り上がっていた。
距離をつめてきた文月を見た常盤は早めに防御の体制をとる。
常盤(ギア状態でのダメージは受けたく無いからな)
文月(やっぱりガードしてきたか!)
ガードしている常盤に、もう少しで拳が届きそうなところで振りかぶる。
魔法やスキルに関しては、魔光石が無ければなんの約にもたたない左手を。
しかし文月は握った左手を振らなかった。
あくまで振らなかった動作はフェイク。
文月は常盤の約2m前で急ブレーキをしたのだ。
そして足で思いっ切り砂を蹴り上げた。
常盤「なっ!?」
砂かけ自体の攻撃はガードしたが、ダメージは無くとも砂埃で視界がなくなり、おまけに舞い上がった砂が常盤の目を襲った。
常盤(目が……………っ!?)
目を閉じてもガードの体制を崩せない。
崩したらそれこそ文月の思うつぼだ。
しかしこれでは目に入った砂が取れない。
常盤(しまった………………完全にはめられた)
しかしそう分かった時には、文月の攻撃が背中に当たりはじめた時だった。
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