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文月(や…ば………っ!)
なんとか前に出した右手は火の玉を一つ消すことが出来たが、残りの4つは全て直撃した。
文月「あづっ!!!」
火の玉は俺にぶつかるや否や破裂して、ダメージを与えてきた。
破裂した衝撃で数メートル吹っ飛んだ文月は、地面にたたき付けられても消しきれなかった勢いでさらに地を転がった。
まだ体力ゲージは残ってる。
しかし三分の一あるか無いか程だ。
体力ゲージの下の気力ゲージと教えてもらったゲージも減っている。
きっとあれがゼロになると気絶状態とかになって相手に有利な状況が出来るんだろうなー、とか自分なりの考えをまとめた。
文月は立ち上がる。
さっきよりも距離をとられて、常盤がより遠くにいる。
常盤「…………タフだな」
文月「あったりめーだ」
格闘家や不良の拳などは喰らった事があっても、火の玉の破裂なんて喰らったのは今回が初めてだ。
左手をズボンのポケットに入れる。
ポケットの中には切り札とも言える魔光石が一つ入っていた。
文月(使えるのは一回きり、外したら無駄にして終わりだ)
魔光石が入っている事だけを確認して左手をポケットから出す。
常盤の魔力ゲージはもう残り少ない、まあレベルが低いうちはみんなこうなんだろう。
文月はたった一回きりの切り札をどう使うか考える。
常盤の属性は『火』だから、魔法で一番ダメージを望めるのは『水』属性の魔法……………
しかしいくら弱点が水だとしても、文月はまだ水属性の魔法をみたことが無い。
文月(見たことが無い魔法をイメージメイクで作り出すにはまだ自信が無い…………くそっどうすれば!)
少し視線を落とすと、自分の必殺ゲージが溜まっているのが見えた。
文月(……………必殺ゲージ?)
はっ、と常盤を見て、ふとチュートリアルをしてくれた事を思い出す。
そうだ…………まだ見せてくれた物があるじゃねーか!
同じ属性で威力は減るかも知れないけど、必殺技なら……………
思い付いた時には文月はすでに走り出していた。
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