~主人公、文月一希について~

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~主人公、文月一希について~

俺は文月 一希(ふみづき かずき)。 高校2年の学生だ。 だけど俺は決して『普通の高校生』ではない。 俺の家は『文月道場』と言って、寺みたいな道場の長男だ。 空手を教えている道場で、師範はもちろん俺の親父の文月 一道(ふみづき いちどう)。 何せ親父は現役時代にオリンピックを何回も制覇するほどの腕だったらしく、門下生も多く集まる。 今では日本一の空手道場と言われているのだ。 だけど多く集まるのは門下生だけじゃない。 『道場破り』 日本一の空手道場の看板を奪うために頻繁に来るのだ。 それを親父は拒むのでは無く、家のポストに『道場破りは来る日時を書いた果たし状をここに入れて下さい』と受け入れているのだ………………… っと、ここまで道場の説明をしたが、実は俺は門下生じゃ無い。 道場を継ぐ気もさらさら無い。 それは親父が許しているからだ。 親父は『道場の家に産まれたから道場を継がなくてはならないなんて決まりは無い。お前の好きに生きろ』と言ってくれるような親父だ。 だから俺は門下生には出来ない仕事をしている。 道場破りの門前払い 門下生でも無い俺に負ければ戦意はボロボロになり、二度とこの道場に挑まないようにしようと思わせているのだ。 実際効果は出ていて、道場破りは減ってきている。 門下生は『文月流直伝空手』を使えるが、俺は門下生じゃないから教われなくて、見よう見真似でケンカ殺法として戦っている。 まあ俺が負けても親父や門下生がいると思って気楽にやっている。
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