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文月「本当にいいのか?
俺はソファーでも構わないんだぞ」
桐原「あー大丈夫大丈夫、そんなに気を使わなくていいよ」
桐原と常盤のベッドで二人で寝ると言ったので俺は譲ろうとしたが、そこまでしなくても平気だと断られた。
常盤「じゃあ電気消すけどいいか?」
桐原「はいよー」
文月「うーい」
明かりが消えて部屋が闇になり、俺はそのまま目を閉じた。
文月(……………………うーん、なかなか寝付けないな)
どうも眠気が来なくて眠れない…………
抱き枕に顔を押し付けたりしたが全然ダメだ。
電気を消してから多分だけど10分は経ったと思う。
はぁ~、と大きなため息をついたら、背中をツンツンと突かれた後に声が聞こえてきた。
桐原「………一希、起きてる?」
文月「……ん?ああ、起きてるよ」
声の主は美雪だった。
桐原「ごめん、頼みがあるんだ」
文月「なんだ?」
背中越しに小声で話しをするのを止めて、振り返ってみた。
桐原「これなんだ………」
文月「………………………………あー」
美雪が指を指した先には、ベッドで大の字になって広々と寝ている常盤がいた。
桐原「寝相が悪いのは覚悟してたけど、さすがにこうされるとさ…………」
文月「うん、狭いかもしれないけど使ってくれ。
俺もなるべく壁によって寝るからさ」
桐原「ありがと」
なるべく壁に寄り、美雪も寝れるスペースを作った。
文月(しかし待てよ、美雪をこのまま常盤側にしたら、常盤の寝相でまた寝れなくなるかもしれないよな…………)
そんな事を一度考えたら、やっぱりもしもの事が気になってしまう。
文月「美雪、やっぱり壁側に寝てくれ。
常盤側にいたら寝相の襲撃を受ける事になっちまう」
桐原「いやいや大丈夫だよ、そこまでしなくても」
文月「いや、泊まるだけとは言え美雪は客だからな。
迷惑かけるのは悪いからさ」
常盤の持て成す心の無さに、さすがにまずいと感じた俺はなんとか美雪を説得した。
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