~レジェンド~

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桐原「ありがとうな、何から何まで」 文月「気にすんなって」 俺はなんとか美雪を説得して壁側に避難させることに成功した。 さて、不安要素は無くなった事だし寝ようかな…………… あれ? 文月(よく考えると美雪と一緒に寝る形になっちまった! 避難させる事に頭がいっぱいで気付かなかった!) とにかく美雪には背中を向ける事にした。 常盤の寝相対策は抱き枕を盾にする以外に考えられなかった。 桐原「じゃ、改めてお休みー」 文月「あ、ああ、お休み」 もしかして美雪は気にしてないのか? 男としてちょっと悲しいけど、まあ何も気にしていないならこっちも多少は気が楽だ。 そのあと常盤の寝相攻撃が何発か飛んできたが、なんとか抱き枕に当たってくれて無事に寝ることが出来た。 夜中、俺は目が覚めた。 原因は異様な程の暑さを感じたからだ。 文月(あっ………暑い…………なんでこんなに暑いんだ?) 目も開けず、体を動かさないままもう一度眠りにつこうとしたけど無理だった。 暑さに堪えながら寝れないまま唸っていたら、不意に体を後ろから引っ張られるような感じがした。 すると今度は前に引っ張られるような感じがした。 文月(……なんだ?) ついに目を開けて状況を確認しようとしたが………… 文月「っ!?」 目の前には美雪の寝顔があった。 距離にして約10cm。 美雪は俺を抱き枕のように抱きしめて寝ていた。 あくまで俺は一切手を出してないからな! しかしこれだけでは終わらなかった。 背中越しには常盤までもが俺に抱き着いていたのだ。 さっきの引っ張られる感覚は、常盤が俺を引っ張った後に美雪が布団を引き戻すように俺を引っ張った…………んだと思う。 まあどっちにしろまずい状況なんだけどね。 前からは美雪の甘い匂いや温かさとか女子特有の柔らかさとかが…………… 後ろからは常盤の温もりが……… すでに掛け布団は常盤の寝相によって取っ払われていて、俺は人の温もりを両サイドから受けて起きたのだ。 文月「…………勘弁してくれよ」 このあと寝るのに1時間近くかかったのだった。
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