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???「ふぁ~…………えーと、何か用ですか?」
大きな欠伸をしたあとに俺の方を見てきた。
目の下にはやっぱり隈があり、まだ眠そうな半目でポケーっとしてる。
文月「いや、用って程じゃ無いんだけどさ、お前星野ってやつ知ってるか?
屋上にいるはずなんだけどさ」
俺は寝ていた女子生徒から視線を外して辺りを見渡す。
他にも一般生徒がいるので、どれが星野か教えてほしかったのだ。
星野「あのー………星野は私です」
文月「………はい?」
星野「私が星野 夜空ですよ」
マジかよ…………今俺の目の前にいるのが今回の対戦相手なのか。
文月「そ、そうだったのか、ごめん知らなかったんだ!」
とにかく俺は手を合わせ謝る。
星野「いいですよー、私もあなたの事を知らないのでお互い様ってやつですから」
文月「それとこれとはなんか違くないか?」
いまいち噛み合わない会話をしてしまった。
星野「ところで………私に用があるんじゃ?」
文月「ああそうだった、いろいろとインパクトが強い出来事が多くて忘れてた。」
相変わらず掴み所が無い星野を見る。
文月「ランキングバトルってのがあるだろ、あれで勝負を挑みに来たんだ」
星野「ランキングバトル……………ああ、学校の生徒全員でやってるあれですね。
ちょっと待ってて下さいねー」
スカートのポケットから携帯を取り出してカチカチといじりはじめる。
こんなに普通に会話が通じて仕種も普通なのに、本物の人間じゃないんだよな……………
そう考えると少しぞっとした。
星野「…………はい、確かにメールがきていましたのでOKですよ」
どうやらランキングバトルをする際は、挑まれた相手にはメールが届く仕組みらしい。
星野「場所はここ、屋上。タイム制限は無しでワンラウンド先取でいいですか?」
文月「ああ、分かった。よろしくな」
星野「こちらこそよろしくお願いします」
お互い笑顔を見せて少し距離を取った。
俺のランキングバトルの挑戦が今始まるんだな…………
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