~ランキングバトルに挑戦~

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文月「うしっ、いくぞ」 星野「お手柔らかにー」 ラウンド1 ファイト! 俺は構えを崩さないまま少しだけ後ろに下がる。 常盤の組み手の時とは違って、相手の属性やスキル、エフェクトも全く分からない現状だ。 迂闊に近づくのは自殺行為だろう。 星野「いきますよっ!」 すると星野は左手を後ろに大きく伸ばして、そのまま手を半円を描くように大きく振った。 大きく振った左手の道筋には光りの道が出来ていた。 文月(なんだあの光り?) 少なくとも物理攻撃では無い事は分かる。 魔法やスキルでの攻撃なら右手の削除(デリート)で打ち消せる。 星野「『流れ星』!」 おそらく技名を言ったと思うが、星野が描いた光りの道から三つの星が飛んできた。 文月(早っ!………だけどこれなら) 常盤の火の玉より早い星が文月に襲い掛かる。 文月「ふっ!」 右手を開いて、真っ直ぐに叩き落とすように振り下ろした。 右手は三つの星を全てに当たった。 星は右手に触れた瞬間に、バチンと音を立てて消えた。 星野「…………あれ、どうして?」 文月「さあ、どうしてだろうな?」 突然魔法が消えてしまって動揺している星野に走って距離を詰める。 文月(星を消した後に残ったあの光り………きっと相手の属性は『光』だ。 『光』の弱点はたしか『闇』だ) ポケットから魔光石を取り出す。 魔光石は七瀬校長に言われた通り、裏山の鉱山に取りに行った。 結構ハードワークだったな…………… そんな事を思い出しながら文月は闇属性のイメージをした。 すると想像制作(イメージメイク)の効果で、左目が紫色に変色した。 文月「行けっ!」 魔光石を左手で握り締めてから星野に向かって投げる。 すると魔光石は暗い紫色の球体になった。 星野「『星壁!』」 闇の球体を見た星野は、星型の光属性の壁を作った。 闇の球体と星型の壁が激突する。 星野「ぐっ………うぅ!」 激しくぶつかり合うお互いの魔法は、押したり押し返したりが続く。 しかしその間にも文月は走るのをやめていなかった。 文月「俺の攻撃はまだ………終わりじゃねえぞ!」 右手を固く握り締めた文月は、走る勢いを殺さずに降り出された。 繰り出された右の拳は、ぶつかり合っている自分が作った闇の球体と、星野の光りの壁を両方掻き消して星野に直撃した。
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