~ランキングバトルに挑戦~

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転がるように前に出て避けようとしたが、すでに遅かった。 星野の手の平に小さな黒い球体が作られていて、その球体は所々輝いていた。 それを俺に押し付けてきた。 星野「これが私のスキルです。 『スモール ユニバース』(小規模の宇宙)」 押し付けられた黒い球体は、俺を中心に膨れ上がり、包み込んだ。 文月「なんだこれ………………まるで宇宙だな」 膨れ上がった黒い球体の中には小さい宇宙があった。 文月「見とれてる場合じゃないよな、デリートで消えないって事は、この球体の壁に触らなきゃダメなのか」 球体の中はまるで水中にいるみたいに動きずらく、もがく様に壁に近づこうとした。 星野「どうですかこの宇宙、綺麗でしょう?」 後ろからの声に振り返る。 星野「私のスキルは宇宙のレプリカを数億分の1で作り出せるんです。 まあ酸素とかはある状態ですけどね」 文月「ただ宇宙空間を作る事しか出来ないのか?」 星野「いや、こんなことも出来ますよ」 すると星野は光る星を指差した。 その差した指をふいっと振った。 指を差していた先を見ると、いくつかの星が飛んできた。 文月「うわっ!?」 星野「それはオリオン座ですよ」 とっさの反応で右手を出して星を掻き消した。 星野「こんな感じに、この宇宙にある星や惑星を動かす事が出来るんです。 まあ一回動かしたやつはまた新しいのにしないと動かせなくなっちゃうんですけどね」 文月「くそっ、早く出ないとまずそうだな」 俺はとにかく近くの壁に進もうとした。 星野「そっちにはたしか…………さそり座がありますね」 進んでいた方向から星座が飛んでくる。 右手は間に合わないと判断して、両手を体の前でクロスさせてガードをした。 そのせいで壁から少し押し戻された。 星野「あれが乙女座で、あれが双子座、それであれは牡牛座で、あっちはかに座」 次は様々な方向からいくつもの星座が襲い掛かってきた。 文月「ぐっ………がぁっ!!!」 後ろから当てられたらガードなんてなんの意味も成さない。 そのままガードも崩されて、全ての十二星座を喰らってしまった。 星野「そして最後は私達を照らしてくれる灼熱の星をプレゼントです」 最後に襲い掛かってきたのは、太陽だった。 文月「ぐわぁっ!!」 高熱と今までの星座とは比べ物にならないダメージを受けた。 さらにその勢いで俺は球体の外に弾き出された。
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