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星野「これが私の究極必殺技ですよ。
まあ必殺ゲージがMAX必要ですけど強力な技でしょう?」
私は話ながら小規模の宇宙(スモール ユニバース)から出て来る。
すると黒い球体はどんどん小さくなって消えてしまった。
私は『小規模の宇宙』で十二星座の襲撃を受けて、さらには太陽を当てて吹き飛んだ文月を見た。
俯せに倒れた文月は所々服が焦げた様に黒くなっていた。
文月の体力ゲージに目をやったが、まだ少し残っている。
星野(それにしても…………文月さんには驚きっぱなしです。
並外れた体力、桁外れな攻撃力、しかしそんな戦闘力を持ちながらも感じる魔法に対する経験の甘さ……………)
『星の降る夜』は空中攻撃の部類入るので、立ったままガードか魔力壁をすれば簡単にガード出来たのだ。
しかし文月はどんな魔法も、まずは避けようとする。
避けられないと感じた時には………
星野(おそらくスキルを持ってる謎の右手で打ち消す…………か。
使い方によっては恐ろしいかもなー)
星野は右手にあるなんかしらの存在に気が付いていたようだ。
しかし…………星野はまだ文月が全ての魔法やスキルを触れるだけで掻き消す力を持っているのに、魔法を消してしまうはずの本人が魔法を使った事を忘れていた。
星野はまだ文月にはもう一つのスキルがあることに気付いてはいなかった。
すると星野の頬にポツリと何かが当たった。
星野「……………雨?」
肩と腰のちょうど間くらいまで伸びた栗色の髪を揺らして、頭を上げて隈が少しついた目で上を見た。
星野「な、何……………あれ?」
上空にはさっき星野が『星の降る夜』に使って消えかけていた黒い渦が、何倍何十倍に大きくなっていた。
そしてその黒い雲は雨を降らし始めた。
しかしその雨がまともな水色ではない。
『黒』
一目で分かるぐらいはっきりした黒い雨を降らせはじめたのだ。
星野「こんなの……………こんなの私の魔法じゃない!」
文月「……………あったりめーだろ」
視線を上空から一気に声のした方に戻す。
そこには黒い雨が降り注ぐ中、ゆっくりと起き上がった文月がいた。
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