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-時は少し遡る-
俺は太陽をまともに直撃して、非常に厳しいダメージを受けて吹き飛んだ。
なんどか屋上のコンクリートに体をぶつけて、ゴロゴロと転がりようやく勢いづきが無くなってその場に止まった。
文月(痛いし熱い……………熱いって感じるだけなんだろうけど熱いのは熱いな………)
床が冷たくて気持ちいい………とか呑気な事を考えた後に顔だけ上げる。
文月(…………あれは?)
目に止まったのは、さっき星野が出した黒い渦だった。
文月(あれを使えば多少の動揺を生めるか……………)
倒れたまま文月は左側のポケットに手を入れて、魔光石を取り出した。
魔光石を握り締めて、手首だけで軽く放り投げた。
すると吸い込まれるように魔光石は黒い渦にのまれていった。
その後、星野が『小規模の宇宙』から出て来て黒い雨が降ってきた。
星野「こんなの………………こんなの私の魔法じゃない!」
文月「あったりめーだろ?」
動揺が生まれたのを感じて、ゆっくりと立ち上がる。
さて…………反撃開始といきますか……
-星野視点-
どす黒い雨が降り注ぐなか、ゆっくりと立ち上がった文月はやや俯いたままで、顔がはっきり見えない。
なんだあれは………なんなんだ?
文月が自分に一歩、また一歩近付くに連れて緊張が走る。
星野(化け………物?)
ただゆっくりと歩いて来るだけなのに緊張と…………わずかな恐怖を消せない。
そんな中で星野は見てしまったのだ。
星野「ひぃっ!?……………」
俯き気味だった顔が少し上がり、文月の表情が見えた。
どす黒い雨が頭をつうじて顔に流れ、不気味に黒く色付けさていた。
目は虚ろで焦点が合ってるのか分からないが……………
ただ笑っていた。
まるで口が裂けてしまいそうなくらい笑い、焦点の合ってるか分からない虚ろな目で私を見ていたのだ。
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