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店員さん「お待たせしましたー。
次のお客様、レジどうぞー」
文月「うーす」
買い物カゴをレジに出し、会計を済ませて西香を待った。
大和(西香)「お前はこれからどうすんだ?」
買い物をすませた俺達はとりあえず寮に向かって歩きだした。
文月「俺は特にやることがないし…………
東のお見舞いにでも行くかな」
大和(西香)「ふーん」
適当に返事をしてきた西香は、ボケーっと外を見ながら歩いていた。
文月「なあ、さっきの買ってた雑誌の事なんだけどさ」
大和(西香)「ん?」
文月「アクセサリーはともかく、服とか髪型とか変えたいのか?」
雑誌の名前を思い出す限り、多少なりとも着飾りたいと感じた。
大和(西香)「んー…………………まあな」
西香は恥ずかしいからではなく、気分が悪くなったのを表すかのように目をそらした。
大和(西香)「したいはしたいけどさ、無駄になるんだよ」
文月「無駄になる?
服と髪が無くなっちまうのか?」
大和(西香)「そうじゃないんだ。
俺は東のスキルから生まれた………………
だから本来は東の体の中にいる事になるんだ。
だいたい俺がこうやって全身出ちまうと東の魔力ゲージがどんどん減っていくんだ」
文月「えっ、えーっと……………」
スキルの説明をしてきた西香に少し戸惑ってしまう。
文月「つまり………西香が全身出ると、東がスキルを使ってるって事になって、東の魔力ゲージが減っていく…………
って事でいいのか?」
大和(西香)「そゆことだ」
文月「んで、それが服や髪型とどんな関係があるんだ?」
大和(西香)「つまり、俺は東の体に戻らないと魔力ゲージが回復しないんだ。
まあ魔力ゲージが無くなったとしても強制的に俺は東の中に戻される
東の中に戻れば俺はまた東の姿とうり二つになる。
髪型を変えたとしても戻るし、服を着替えてもまたこの服になる
……………………これが無駄になるって事だよ」
文月「……………そうか」
いくら変わる事を望んだ所で戻されてしまう。
スキルから生まれたという設定のせいで、望んでも無意味になってしまうのだ。
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